2008124日 朝日新聞京都版 朝刊

 

【ピンスポット】

ピアノ奏者 内藤裕子さん

20081204

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            左手だけで紡ぐ調べ

 左手のみで演奏するピアノ曲を集めた、自身初のリサイタルを12日、西京区の青山音楽記念館で開く。「緊張していますが、左手だけで弾く曲にも、すばらしい作品があることを知ってほしい」

 現在、京都市立芸術大大学院に在学中。3年前の学部卒業間近に、神経系の難病「ジストニア」を発症し、右手が思うように動かせなくなった。日常生活に支障はないが、動きが複雑で激しいピアノ演奏が右手では難しい。

 「大きな挫折感を味わいましたが、大学の先生や家族に支えられて、左手だけで音楽を続けようと決意しました」

 07年から1年間はドイツのフライブルク音楽大学に留学。「留学前は不安でした。でも、ドイツの先生が『左手のための良い曲がたくさんある、左手だけで大丈夫』と。うれしかったです」

 演奏時は左手が鍵盤の上をあちこちせわしなく動き回る。目を閉じて聴くと、まるで両手で弾いているよう。「本当に左手が忙しい。いつの間にか左腕に筋肉が付いてきたようです」と笑う。

 リサイタルでは、左手のために作られたゴドフスキーやライネッケ、吉松隆の曲のほか、バッハ「シャコンヌ」やショパンなどの左手向けに編曲された作品も披露する。

 「左手で音楽を演奏できる喜びとありがたさを感じます。障害を持つ人にも勇気と希望を持っていただけたら」

 午後7時開演。1500円。問い合わせは同記念館(075・393・0011)へ。                                      HPより転載)

 

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