2009129日毎日新聞 朝刊

【京都】左手で奏でる夢

左手のための曲を練習する内藤裕子さん=京都市西京区で

左手のための曲を練習する内藤裕子さん=京都市西京区で

 神経系の疾患「ジストニア」で右手中指が不自由になった京都市立芸術大大学院の内藤裕子さん(25)=京都市西京区=が今春、修士課程を修了し、左手だけのピアニストとしてデビューする。

 3年前に突然うまく指が動かなくなった。そんな時、左手だけで演奏できるよう編曲されたバッハやショパンの曲に出合った。

 07年にはドイツ留学を経験し、帰国後のリサイタルで成功を収めた。「両手で弾く以上にいろいろな音色を表現する必要があり、演奏の幅が広がった。大勢の人を感動させたい」と夢を語る。

 片手で演奏するピアニストでは、戦争で右腕を失ったオーストリアのパウル・ウィトゲンシュタインや舘野泉さんらが有名。内藤さんと同じジストニアにより左手で活躍中の智内威雄(ちないたけお)さんは「大変なことがたくさんあるだろうが、音楽を極めてほしい」とエールを送る。【望月亮一、写真も】   HPより転載)

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